好きだと気づく30センチ

　そりゃ確かに少なめとは思うけど、それは二人の食べる量と比べたらで、普通に腹七分目にお腹はふくれる。

「二人の量と比べたらでしょ。これが普通なの」

　ふーん、てあまり納得してない新野くん。

　クリームパンの溢れるクリームと格闘中のクワガタ。

　…口の端にクリームついてるし。

　大きな口にパンを押し込んでモグモグ、ゴクリ。

　手は、もうチョココロネに伸びてる。

「ちょっと、クリームついてるよ」

　ポケットからティッシュを出してそれをクワガタに渡す。だけど、それを受け取らない。