好きだと気づく30センチ
「あ、もしかして怒った?」
またも私の手を止めるクワガタ。
なんか無性に腹が立つ。それはきっと、茶髪で寝癖の付き方がクワガタの角みたいだから。
私はわざとらしくため息をしてから立ち上がり、とびきりの愛想笑いを浮かべて隣を向く。
「さようなら、クワガタ君」
そのまま鞄を持って教室から出る。
「俺、永田なんだけど」
後ろで聞こえた呟く声に、今度は心の中で言ってやる。
『わざとだよ!』
そんなあいつとの出会い。
春の浮かれた教室で。
またも私の手を止めるクワガタ。
なんか無性に腹が立つ。それはきっと、茶髪で寝癖の付き方がクワガタの角みたいだから。
私はわざとらしくため息をしてから立ち上がり、とびきりの愛想笑いを浮かべて隣を向く。
「さようなら、クワガタ君」
そのまま鞄を持って教室から出る。
「俺、永田なんだけど」
後ろで聞こえた呟く声に、今度は心の中で言ってやる。
『わざとだよ!』
そんなあいつとの出会い。
春の浮かれた教室で。