好きだと気づく30センチ
「きゃっ!?」

「うわっ!!……て、ヒヨコか。びっくりさせんなよ」

 床にあぐらをかいて携帯をいじっていたクワガタが扉のすぐ側にいたのを予想もしてなかった私。

 思わずあげた悲鳴に、クワガタも驚いて危うく携帯を落としそうになっていた。

「ごめん。でも、なんでこんな所に?」

「終礼の後、ヒヨコが階段の方に歩いてったから、どこに行くのか尾行して、待ち伏せてた」

 俺って探偵になれるな、と立ち上がって無駄に得意気な表情をするクワガタ。

「変なの、ほんと…変」
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