好きだと気づく30センチ
「ヒヨコ、どっか痛いのか?腹?頭?熱があるのか?」
珍しく真剣な顔して考え込むクワガタ。
私が顔を上げてその表情を見つめていたのに気付くと、二人の目が合う。
遠くもない、近すぎることもない、この二人の距離。
初めての場所で、高校生になった不安で、下を向いてた私の顔を上げさせたのはクワガタだ。
ちょっと変わってるけど、すぐに人を勘違いさせるけど、優しくて面白くて、寝顔が可愛くて。
初めて会ったあの入学式の日から、クワガタは私の特別なんだ。
「あ、あのね、私……クワガタの事……──」
春の夕陽、好きだと気づく30センチ。
* fin *
珍しく真剣な顔して考え込むクワガタ。
私が顔を上げてその表情を見つめていたのに気付くと、二人の目が合う。
遠くもない、近すぎることもない、この二人の距離。
初めての場所で、高校生になった不安で、下を向いてた私の顔を上げさせたのはクワガタだ。
ちょっと変わってるけど、すぐに人を勘違いさせるけど、優しくて面白くて、寝顔が可愛くて。
初めて会ったあの入学式の日から、クワガタは私の特別なんだ。
「あ、あのね、私……クワガタの事……──」
春の夕陽、好きだと気づく30センチ。
* fin *