不器用少女の恋

「愛由香、あいつも友だち?」


「え?」

瑠衣くんの視線の先は…


「…修哉」


「知り合いか、」


「知り合いってか…」

なんだろう。

元カレ?

いや、あれは付き合ってたでいいのかな?


「彼氏?」


「いや、えーと、」

ああ、もうなんだかイライラする。


「夢野さん‼︎」

呼ばれた方を見ると数名の女の子。


「友だち?」


「…クラスメイトです」

話したの、初めてだし。


「彼氏⁉︎」

急に聞いてきた。


「え?」

「違うよね⁉︎」

「夢野さんには修哉がいるもんね‼︎」

修哉、か…


「いや、私は…「修哉‼︎」」

私の声を遮った大きな声。

その方向を見れば昼休みの時の女の子が、修哉に駆け寄り腕を組んだ。

修哉はそれを拒まない。

あ、やばっ、もう別れたのに…泣きそうだ。


「愛由香…?」

不思議そうに私の顔を覗き込んだ瑠衣くんが目を見開いた。


「ごめんね、ちょっと急いでるから」

そう言った瑠衣くんは私の腕を引いて車に乗り込んだ。