不器用少女の恋
修哉 side


「修哉ー」


「…」

瑆(ひかる)の声がする。


「修哉ー」


「…」


「修哉ー」

うるせぇ


「…」


「修哉修哉修哉修哉修哉修哉修哉修哉」


「うるせぇ」


「そんなにショック受けんならあんなこと言わなきゃよかっただろ」

なんでてめぇが知ってんだよ。


「うるせぇ」


「愛由香ちゃん哀しそうだったなぁ」


「うるせぇ」

そんなわけねぇだろ。


「なに顔もしらねぇやつに嫉妬して別れてんだよ」

うるせぇ、わかってるよ。

自分がどれだけバカなことしたかなんて。


「このままでいいのかよ」

バカか。

いいわけない。

嫌に決まってる。

でも…


「言えるわけねぇだろ」


「あのなぁ、まだカッコつけんのかよ」

呆れたように言う瑆。


「カッコつけてるわけじゃねぇよ。あいつにだってもう違う相手がいるんだ。今さら…」


「それがカッコつけてるっつーんだよ!」

バンッと机を叩いて瑆が言った。

その行動が珍しくて、思わず目を見開いた。


「足掻けよ!好きなら足掻けよ!手に入れるまで足掻ききれよ!カッコ悪いって、誰に言われようが足掻けよ!相手がいるとか言って逃げてる方がカッコ悪りぃんだよ!」

その言葉に全身が震えた。
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