不器用少女の恋
「誰かいんのか?」

女子が騒ぐっつーことは芸能人とかか?


「あ、」

その横を見た。


「どうした?修哉」


「愛由香…」

女の群れの横を通り校門を出ようとする愛由香の姿を見つけた。

しかし、ちょうど出る直前、ピタリと足を止めた。

なんだ、あいつも興味あるのか?

愛由香の大きな目がもっと大きくなったのがわかった。


「あー‼︎」

すると、隣の瑆が大きな声を出した。


「…んだよ」

うるせぇな。


「あいつだよ!」


「はぁ?」

なにが、


「茶髪に、十字架のネックレス!」

だからなにがだよ、


「あいつ、昨日愛由香ちゃんといたやつだよ!」

俺はその言葉を聞いた瞬間、教室を飛び出した。
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