不器用少女の恋
校舎から飛び出たはいいものの、行ってなんて言えばいいのか、わからず立ち止まる俺。

情けね…

すると、男と愛由香がこっちを向いてなにか話し出した。

困ったような顔をする愛由香。

なんだよ、視界にも入れたくねぇほど嫌いなのかよ…。

そんな状態の愛由香に女子の数人が話しかけた。

距離が遠くて聞こえねぇ。

なに戸惑ってんだよ。

こんなキャラじゃねぇだろ。

俺は意を決して愛由香の元に寄ろうとした時…


「修哉!」

後ろから聞こえてきた声の主は俺の近くに来て腕に絡みついた。

うざい…


「んだよ、」


「今日どっかいこーよ」


「むり」

お前と付き合ってる暇はない。


「えー、いいじゃん!」


「俺、今から用事あるから」


「なんの?」

そんな聞いてくんのかよ…


「関係ねぇだろ」


「いいじゃん、教えてくれても」

しつけぇな


「お前には関係ない。だから答える必要もねぇ」

俺は腕をするりと抜いて、愛由香の元に寄ろうとしたが、もうそこに愛由香の姿はなかった。
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