不器用少女の恋
「もう、他の奴のこと、見てる?」
軽く首を傾げて聞く修哉。
ほんと、ズルいなぁ…
「見たいよ、見たかったよ、早く、修哉のことなんて忘れたかったよ…!」
苦しかった。
苦しくて仕方なかった。
でも…
「見れるわけ、ないじゃん。嫌いになれるわけ、ないじゃん。私の気持ち、甘く見ないでよ…」
そんなに軽い気持ちじゃない。
軽いなら、とっくに忘れられてる。
もっと楽になってる。
忘れられないから、
嫌いになれないから、
あなたしか、見れないから…
「苦しかったんだよ…」
「ごめん、傷つけて、ごめん…」
修哉は私の頭を自分の胸に押し付けるようにして、私を抱きしめた。