不器用少女の恋
修哉 side
「ねー修哉ー聞いてる?」
「え?ああ…」
「でねー」
そう隣で話を続ける女。
名前…なんだっけ。
本当は愛由香と帰るはずだった。
前みたいに帰ろうと思ってた。
なんであいつなにも言ってこねぇんだよ。
少しくらい妬けよ。
「あ、私こっちだから」
「ああ、じゃあな」
「バイバーイ」
女は手を振って帰って行った。
俺はそれを見届けることなく家路についた。
「愛由香…」
あいつ、俺のこと好きなのかな。
告白だって頷いてただけだし。
一緒にいたい。とか、帰ろう。とか、言ったことねぇし。
きっとあいつは優しいから、付き合ってくれてんだろうな。