追いかけっこが、終わるまで。
春樹と別れてから、心配した香や美和の紹介で、合コンに行ったりデートをしたりは何度かあった。

でも私はどこか諦め気味だった。

強引に近づいてくる人は苦手だし、優しい感じの人は春樹を思い出してどうせダメだと思った。

扱いにくい子だろうなと思う、私って。



どんなタイプがいいのよ、と美和に聞かれて、ふと思い浮かんだのが長谷川先輩だった。

笑っていても、ふてくされていても。いつも明るい気を発している人だった。



「すごく自由で気分屋で、楽しそうな先輩でね、私もあんな風になりたいと思う人はいた」

「は?なりたいって?付き合いたいタイプなの?」

「付き合うとかは想像できないな、爪の垢を煎じて飲みたい感じ」

あんたの日本語時々変よ、と美和はため息をつき。

リサは十分自由だから、手のひらで転がしてくれるような大人がいいんじゃないの、と言った。



美和みたいな人がいい。



そう言ったのは確かその時だ。一緒にいて、私を自由でいさせてくれるのは、自分をしっかりもっていて、だからこそ他人にも踏み込める美和みたいな人なの。

長谷川先輩も美和には叶わないよ。

そう思ってた。
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