nine hundred Lies【暗詩】

#052  想いで



わすれものは いつも

だいぶ後になって

想い出す



もう 遅いよ。

と 君がいう


僕の過ちはいったい

どこから始まっていたのだろう



もう 終わりだよ。

と 君がいう


ただ 切なさだけが 僕に残る


そして 君は もういない



僕の過ちは

いったい誰が許してくれるんだろう


神様なのか

それとも 君なのか



何かを想い出すたびに

『それは過ちだよ』

と 声がする。





――君を想い出すことが、

其れとも
想い出すという行為が、


そのどちらもなのか?


わからないまま、

それでも……

いまでも……



何かを想い出すたびに





『それは過ちだよ』

と 声がする。







【#052  想いで】
< 17 / 36 >

この作品をシェア

pagetop