nine hundred Lies【暗詩】
#052 想いで
わすれものは いつも
だいぶ後になって
想い出す
もう 遅いよ。
と 君がいう
僕の過ちはいったい
どこから始まっていたのだろう
もう 終わりだよ。
と 君がいう
ただ 切なさだけが 僕に残る
そして 君は もういない
僕の過ちは
いったい誰が許してくれるんだろう
神様なのか
それとも 君なのか
何かを想い出すたびに
『それは過ちだよ』
と 声がする。
――君を想い出すことが、
其れとも
想い出すという行為が、
そのどちらもなのか?
わからないまま、
それでも……
いまでも……
何かを想い出すたびに
『それは過ちだよ』
と 声がする。
【#052 想いで】