さいごの夢まで、よろこんで。
「会うのもやめて、一方的に関係断ち切ったような感じかな。そしたら、しばらくしてついに、翔太からも連絡来なくなってさ」
「………」
なんの反応も返ってこないのが、逆に怖い。だけど赤城くんの目は、まっすぐ私に向けられている。
「まあ、当然なんだけどね!いよいよ愛想つかされちゃったっていうか、見捨てられたかなー、なんて……」
「……見捨てられた?」
ギクッと肩が震えた。
今まで聞いたことないくらい低い声で、赤城くんが呟いたから。
「……本当に、」
「え?」
「本当に、そう思ってるんですか?」
怒ってる。そう感じた。
私に対して怒りを堪えきれない、そんな顔だ。
突然のことで、そんな風に怒られる意味もわからなくて、ただ困惑する私に一歩近付いて、赤城くんはまた口を開いた。
「……あいつが、翔太が、今までどんな気持ちであなたと一緒にいたか知ってて、それでも見捨てられたって思ったんなら、僕はあなたを心の底から軽蔑します」
軽蔑します。そんなことを言われるとは思わなかった。
そんなこと言われても、じゃあどうしろっていうの。赤城くんこそ、私がどんな気持ちで、翔太と距離を置いたのか知ってるっていうの?
「…たしかに、先に関係断ち切った私が悪かったと思うよ。でも他にどうしたって、結局今みたいな状況になるのわかってたし、仕方ないじゃない!」
悔しい。
なんでこんなこと言われないといけないんだ。
「翔太にはこれから先、私のこと忘れて幸せに生きてほしいって、私は……!」
「どうして気付かないんですか!」