にゃおん、と鳴いてみよう
なんだか体中の力が抜けてきた。
あたし、一体なんでここにいるの?
「にゃ……」
ぴたりと、足が止まる。
喉が詰まって、それ以上声が出ない。
ふと、凍えるくらいに寒いと感じて、体が震えてきた。
イヤだ。
足が、ガクンと崩れた。
もう立っているのもイヤ。
我慢していた涙が、あふれてくる。
帰りたいよう。
そう思った。
なのに、どこに帰ればいいか分からない。
涙だけがいっぱい流れてきて、息をするのも苦しい。
もうヤダ。ママに会いたい。
ママのところに行きたいよ。
何もかもがもうどうでもよくなっちゃって、あたしは泣いた。
声はうまくでなかったけど、涙があふれて止まらなかった。
ニンゲンって、冷たいね。
あたしが泣いてても、みんな見て見ぬふりしてる。
あったかいところがいいよ。
ママのそばがいい。
ねぇ、どこに行ったら会えるのか教えてよ。
そうしたらどこまでも頑張ったのに。
あたしは、とても疲れてしまった。
地面にぺたんと体をつけたら、少しだけ楽になったような気がしたんだ。