にゃおん、と鳴いてみよう

なんだか体中の力が抜けてきた。

あたし、一体なんでここにいるの?


「にゃ……」


ぴたりと、足が止まる。
喉が詰まって、それ以上声が出ない。

ふと、凍えるくらいに寒いと感じて、体が震えてきた。

イヤだ。

足が、ガクンと崩れた。

もう立っているのもイヤ。

我慢していた涙が、あふれてくる。


帰りたいよう。


そう思った。


なのに、どこに帰ればいいか分からない。


涙だけがいっぱい流れてきて、息をするのも苦しい。

もうヤダ。ママに会いたい。
ママのところに行きたいよ。


何もかもがもうどうでもよくなっちゃって、あたしは泣いた。
声はうまくでなかったけど、涙があふれて止まらなかった。

ニンゲンって、冷たいね。
あたしが泣いてても、みんな見て見ぬふりしてる。

あったかいところがいいよ。
ママのそばがいい。

ねぇ、どこに行ったら会えるのか教えてよ。
そうしたらどこまでも頑張ったのに。

あたしは、とても疲れてしまった。
地面にぺたんと体をつけたら、少しだけ楽になったような気がしたんだ。


< 14 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop