にゃおん、と鳴いてみよう

「んー。モカちゃぁん」


ミネちゃんの寝言に、我に返る。

起こさなきゃ、風邪ひいちゃう。

もう一度、今度はちょっと強めにミネちゃんの足を引っ掻いた。


「いったーい!」


ようやく飛び起きてくれた。ちょっと涙目になってるとこ見ると、やり過ぎたかな。


「酷いよー、モカちゃん。このう!」


慌てて逃げるけど、間に合わずにつかまっちゃう。
ああん。どうしてあたしを押さえつけるのはそんなに上手なのよう。

バタバタと足を動かして、ミネちゃんから逃げようとするけど、ギューって掴まれちゃって動けない。

だけどミネちゃんにこうされるのはイヤって思えなくて、それがなんだかイヤだった。


「うふふ。かわいいー」


やめてよ、ミネちゃん。優しくしないでよう。


「ずーっと一緒に暮らせたら楽しそうだなぁ」


やめてよ。あたしはママを探すんだから。


「起こしてくれたんだね。ありがとう」


そんな風に、あたしの気持ち、理解しないで。
分かってくれたら嬉しいから。

どんどんミネちゃんが好きになっちゃう。

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