にゃおん、と鳴いてみよう
ねぇ、ミネちゃんてば。
そろそろと近付いて顔を覗き込むと、ミネちゃんの目はちょっと潤んでる。
あれ、どうしたの?
ミネちゃん、なにかあったの?
鳴いて慰めれないから、足元に体を摺り寄せた。
あたしが、ママにしてもらってとっても嬉しかった仕草。
ほら、ミネちゃんも嬉しいでしょ?
「モカちゃん」
ミネちゃんは、目元をぬぐいながら小さく笑う。
泣いてたの?
ねぇ。どうしたの?
「ごめんね」
何を謝ってるの?
「先生が言うのは、正しいよね。ちゃんと面倒見れるか考えずに、ただ受け入れるのは、確かに違うよねぇ。いっつも思い付きで動いちゃう。……だから振られちゃうんだよなぁ、私」
先生さんがなんか言ったの?
ポツポツ呟く、ミネちゃんの言葉はいまいちわからないんだけど、ミネちゃんが落ち込んでいるのは分かるわ。
「私を待っててくれる存在が欲しかった……なんて。勝手な都合だよね。もっとちゃんと考えなきゃいけなかったんだ」
やだよ、ミネちゃん、泣かないで。
どうしたら元気になるかな。
そうだ、お散歩しようよ。
遊んだらきっと、楽しくなるよ?
あたしがどんどん歩いて行くと、ミネちゃんの視線がついてくる。
こっちだよー。
「モカちゃん、遠くまで行っちゃダメだよ?」
じゃあミネちゃんが追いかけてきてよう。
さらに歩いて振り向くと、ミネちゃんが腰をあげたのが見えた。
困った顔してるけど、追いかけてきてくれたからいいや。
えへへ。ほらね、お散歩だよ。この公園、緑がとっても綺麗だよ。
ねぇ、ミネちゃん、元気になってよ。