にゃおん、と鳴いてみよう

「モカちゃんと一緒に暮らせる部屋みつけたから、一緒に帰ろう」

「にゃ?」


あたしは、ミネちゃんの言葉が理解できなかった。
一緒に暮らせる部屋って何?
暮らせる部屋と暮らせない部屋があるの?

じゃあもしかして、また一緒に暮らせるって事?
ホントに?


「引っ越しまで時間かかっちゃったから、迎えに来るの遅くなってごめんね?」


前足の付け根を抑えられて、ミネちゃんの目線まで持ち上げられる。
ああ、ミネちゃんの瞳の中にあたしがうつってる。


嘘じゃないんだ。
本当に迎えに来てくれたんだ。


「にゃおん!」

「会いたかったよ、モカちゃん!」


もう一回、ぎゅーってして、先生とおねえさんに、「そういうの、外でやってくださいねー」って追い出された。


「先生ありがとうございました!」


ミネちゃんはそう清々しい笑顔で言うと、あたしをカゴバックにいれて、外の世界に連れ出してくれた。

ああ。これだよう、お外の匂い。
とっても気持ちいいようー!

< 44 / 48 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop