にゃおん、と鳴いてみよう
「モカちゃんと一緒に暮らせる部屋みつけたから、一緒に帰ろう」
「にゃ?」
あたしは、ミネちゃんの言葉が理解できなかった。
一緒に暮らせる部屋って何?
暮らせる部屋と暮らせない部屋があるの?
じゃあもしかして、また一緒に暮らせるって事?
ホントに?
「引っ越しまで時間かかっちゃったから、迎えに来るの遅くなってごめんね?」
前足の付け根を抑えられて、ミネちゃんの目線まで持ち上げられる。
ああ、ミネちゃんの瞳の中にあたしがうつってる。
嘘じゃないんだ。
本当に迎えに来てくれたんだ。
「にゃおん!」
「会いたかったよ、モカちゃん!」
もう一回、ぎゅーってして、先生とおねえさんに、「そういうの、外でやってくださいねー」って追い出された。
「先生ありがとうございました!」
ミネちゃんはそう清々しい笑顔で言うと、あたしをカゴバックにいれて、外の世界に連れ出してくれた。
ああ。これだよう、お外の匂い。
とっても気持ちいいようー!