廃想集 『カワセミ啼話』
ぐつぐつぐつぐつ煮えたぎるノイズが日増しにでかくなる
ハラワタの中の塊が日増しにだんだんでかくなる
オマエノ気持チナラ良ク解ル
ダカラ代ワリニヤッテヤロウ
オマエノ代ワリニヤッテヤロウ
オマエハタダ
俺ノ見エナイ目ノ代ワリニ
アイツラヲ見ツケテクレリャアイイ
オマエハタダ
俺ノ代ワリニ右手ニナイフヲ握リャアイイ
オマエノ気持チナラ良ク解ル
オマエモ此処カラ出タインダロ
繰り返すその言葉に
ようやく固めた決意とナイフを握り扉を開ける
長い間引きこもった部屋を出て踏み出す一歩は
慣れずに余分な力がこもる