廃想集 『カワセミ啼話』


でも、もう遅い。


手放してからでは、何もかも……もう遅い。


そうなるように仕向けたんだ。

君が飛び立ってしまうように。

後悔なんてしないさ。
それで良かったんだ。
何の為の翼だ。



僕の翼は役に立たないから、君のようには飛べないけど、広げた白い翼は……



ほら、やっぱり綺麗だね。どこへでも、飛んでいけるね。



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