廃想集 『カワセミ啼話』
忘却の果てなら。
闇の向こうに何が見える。
そうだ。
見えるハズなどない。
そこは闇だ。
光など届くハズもない。
もし、仮に何かが見えるのならば
そこは闇ではなく、
オマエがそうだと思っているだけの
幻でしかない。
闇の中で何かが見えるなどと思うなよ。
闇に慣れた者に目など必要とはしないのだ。
見えると云う概念など、とうの昔に忘れてしまったのだから。
オマエはまだ、忘れていないのだろ?