廃想集 『カワセミ啼話』


 この世界には、何処にも無いと思ってるものをバカみたいに探し続けてた。
 在るハズなんか無いって、判ってたのに。
 探すことにイミが有るって、思い込んで。

 アテもない、ゴールもない、彷徨うだけの行為に初めからイミなんてありゃしないのに。

 ご褒美も無いのに真剣に探す訳なんか無いんだ。
 だけど……
 それしか、それぐらいしか……

 この俺に出来ることなんて、見つけることすら出来なくて。
 飽きもせず、諦めもせず、ただバカみたいに彷徨い、探し続けた。





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