だから、俺にしとけよ。
「伊都ちゃんおもしろいね。
志貴は振られてるのか、男前だと思うんだけどなぁ」
「俺もそう思う」
「まぁ、こんなのだけど仲良くしてやってね。
あ、俺のことはお兄さんって呼んでくれてかまわないよ」
「そんなの呼ぶわけねぇだろ。
伊都ちゃん、おっちゃんって呼んであげて」
「おっちゃん!」
「くぅ、かわいいね」
店主改め、おっちゃんは親指を立ててグッドってしている。
私はなんとなくそれに合わせてから、入谷くんに引っ張られて奥の席に座った。
「おもしろい人でしょ」
「うん。なんか、この静かな雰囲気とは違う感じで、それもまたいいね」
落ち着いた店内に、おっちゃんの明るい性格。
それがまた心地良い。