だから、俺にしとけよ。
「ねっ?おいしいでしょ?」
「うん、おいしいけど。
伊都ちゃんすごいね。俺、今すごいきゅんときた」
「へ?」
「あーんしてくれた」
「なっ!」
確かにそうだ。
テンションが上がりすぎてつい……。
また一口食べて、フォークを加えている私。
か、間接キスだ……。
「それだけおいしいってことだよ!
幸せはわけないとねっ。
おっちゃん最高だよ!」
「伊都ちゃん、サンキューな」
誤魔化すように、少し遠くにいるおっちゃんに声をかける。
今はお客が私たち以外にいなくて、おっちゃんは仕込みをしている。
その姿を見つめて、入谷くんに目を合わせないようにしていると。
「ふっ」