だから、俺にしとけよ。



ニコッと笑った入谷くんは、スカートのポケットに入れていたスマホを勝手に取る。


驚きすぎて声も出ない。

だって、普通そこに手を入れる!?



スカートだよ!?



若干、太ももに触れたし……。





「パスワード、何番?」


「教えない」


「ふーん。まぁ、いいや」


そう言って、入谷くんは適当に番号を入れる。



「ちょっ!開かなくなるじゃん!」


ロック解除のパスワードを何回も間違えると、数分間開かなくなっちゃう。

と、思って私のスマホを覗き込むともう開いていた。



な、何で……。




「この時のために、誕生日聞いてたんだ。
京ちゃんの」


ニヤリと笑う入谷くん。




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