だから、俺にしとけよ。



驚きすぎてそのまま固まる。

ついでに思考も停止。



「仲良いんだ。
付き合ってんの?」


京ちゃんの言葉になぜか棘が含まれているように感じる。


低くくて鋭くて冷たい。

そんな声音の京ちゃんを聞いたことがない。



生まれた時からずっと一緒にいたけど初めてだ。


私の知らなかった京ちゃんがまだ存在していた……。

少し悲しくなって、俯く。



って、落ちこんでる場合じゃない!



「付き合ってない!」


「あんたに関係なくない?」



私の声と入谷くんの声が重なる。

入谷くんは京ちゃんを睨んでいるようで、私に回っている手に力がこもった。



は、離れなきゃ……京ちゃんに誤解されちゃう。

もぞもぞと体を動かすけど、やっぱり抜け出せない。


そんな私たちに近づいてくる。




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