だから、俺にしとけよ。
「そんなのより伊都があいつといる方が心配」
他の女の子より、私の方を選んでくれたってこと?
なんてちょっと舞い上がる。
少しだけ試してみてもいいかな?
「入谷くん、悪い人じゃないよ」
「騙されんなよ。
男はみんなオオカミなんだから、伊都に何するかわかんねーよ」
「京ちゃんもオオカミ?」
「まぁな」
それは他の女の子にでしょ……?
ねぇ、京ちゃん。
立ち止まって、繋いだままの手にぎゅっと力を込めた。
「私とは遊ぼうと思わないの?」
その声に一瞬目を見開くけど、すぐにいつも通りの表情に戻る。