だから、俺にしとけよ。



「どっか行きたいのか?
じゃあ今年の夏祭りは一緒に行く?」


「行きたい!
……ってそうじゃなくて、私には手を出そうと……思わないの?」



きっと京ちゃんのことなら分かってた。

だけど話を逸らそうとした。


その時点で分かってるのに、私は自分から傷つきにいく。



「……伊都は大事な妹みたいなもんだから。
妹に手を出す兄なんかいねぇだろ?」


ズルい。
そうやって断るなんてズルいよ京ちゃん。


私たちは兄妹じゃないじゃん。

他の子と遊ぶくらいなら私と遊んでよ。


何で私じゃダメなの?


私は京ちゃんが他の子に触れるのが嫌なのに……。



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