だから、俺にしとけよ。
すごく大切な人
夏祭り当日。
京ちゃんからこうゆう行事に誘われたのは、今まで生きてきた中で初めて。
私から誘う時もあったけど、京ちゃんが女遊びをするようになってから誘えなくなった。
一緒に登校は当たり前で、下校は本当にたまに。
休日とかも遊んだりしないから、こうやって遊びに行くのは久しぶり。
私は気合いを入れて、お母さんに浴衣を着せてもらう。
白地に桜がいっぱいのお気に入りの浴衣。
髪はアップにできるほど、長くないから片方だけ編み込んで浴衣に合うピンクの花の飾りをつける。
「京ちゃんと祭り。伊都、良かったね」
「な、何で?」
「だって、伊都ったら京ちゃんのこと昔っから大好きだったじゃない。
やっと叶ったのね」
「し、知ってたの!?
でも残念ながら付き合ってないの」
「そう?まぁ、祭りで京ちゃんのハートをゲットしてきなさい」
お母さんの言葉に恥ずかしくなりながらも、小さく頷いた。
せっかくのチャンスだもん。
頑張ろう。