だから、俺にしとけよ。
少し寂しさを覚えるけど、京ちゃんは一緒に登校してくれる。
だからそれだけで満足することにした。
「文化祭、楽しみだね」
幼なじみとして隣にいさせてくれるなら、私は京ちゃんのために今日も笑顔で話すよ。
「京ちゃんのところはステージ発表だっけ?」
「あぁ。でも俺は照明だから」
「出たら良かったのに。
京ちゃんの王子様とか見たかった」
「いや、俺らのクラスは桃太郎のアレンジバージョンだから王子とかいないし」
ふっと笑う京ちゃん。
子どものころによく読み聞かせされる桃太郎の話をアレンジするなんて発想からおもしろい。
でも、それなら京ちゃんを王子役として出してもいいと思うけどなぁ。
なんて他愛もない話をしながら学校に行く。