だから、俺にしとけよ。
「……京ちゃん」
まだ教室にいた京ちゃんに声をかける。
姿を現した私に驚いたように一瞬目を見開いてから、視線を逸らして頭をかく。
「……聞いてたのか?」
「……うん。ありがとう」
感謝の気持ちを伝えると、京ちゃんは私の方を見て真っ直ぐに近づいてくる。
目の前に立って、私の両頬を指でつまむ。
「い、いひゃい……」
「何で言わねぇんだよ。相談しろよバーカ。
何かあったことくらいすぐに気づくわアホ」
ば、バカにアホ……。
京ちゃんひどいよ。
「自分1人で抱え込むなって」
「助けを求める前に助けてくれるなんて、京ちゃんはやっぱりヒーローだね」