だから、俺にしとけよ。
無理やりに笑顔を作っているのが分かる。
だって、いつもみたいにその笑顔で私は何も感じられないんだもん。
入谷くんの笑顔は周りを明るくするはずなのに、気持ちは重くなるばかり。
「伊都ちゃん、ずっと幼なじみのこと好きだったじゃん。
やっと両想いになれたんだよ!
長年の片想いが実って良かったね」
「入谷くん!」
「……2人とも、お幸せにね」
私たちに背を向けて、それだけ言うと入谷くんは行ってしまった。
その背中をずっと見つめる。
なんでか、胸が締め付けられて苦しくてまた涙が溢れそうになる。
「伊都、さっきのマジ?
ずっと俺のこと好きだったって……」
「……うん」
「やばい、すげぇ嬉しい」