だから、俺にしとけよ。
*最終章*
叶ったはずの想い
「伊都、おはよ」
家を出ると京ちゃんが挨拶をしてくれる。
私を見るなりパッと笑顔になる京ちゃんはすごくかわいい。
「おはよ」
私も返して京ちゃんの隣に並ぶ。
その瞬間手を繋いできて、指を絡められる。
今まで一緒に登校してきたけど、こんなのは初めて。
手を繋いだことは何回もあるけど、外で指を絡めて繋ぐということはなかった。
こうなったのは、私たちが昨日付き合い始めたからだ。
すごく嬉しい。
嬉しいはずなのに……なんでかモヤモヤしている。
何でこんな気持ちになるのか。
京ちゃんといてこんなに言い表せられないような複雑な気持ちになったことない。
だから分からない。
私にはこれが何なのか分からないんだ。