だから、俺にしとけよ。
他愛もない話をしながら学校に行く。
いつもと同じなのに、昨日とは違う。
同じではなくなった。
何だろう。
私は何が気にかかってるんだろう。
「あ」
校門前に来た時、ちょうど入谷くんが前から歩いて来ていた。
イヤホンをしてポケットに両手を突っ込んで歩いている。
入谷くんが目線を上げた時、目が合った気がした。
だけど、すぐに少し下に目線が落ちる。
「伊都ちゃんおはよう。
朝から熱いね」