だから、俺にしとけよ。
あいつに奪われちまったか。
「伊都、ありがとう。
これからも変わらず大事な幼なじみだからな」
「京ちゃんっ……」
泣きながら俺の名前を呼ぶ伊都に思わず手を伸ばし抱きしめようとする。
けど、その手を途中で止めてまた戻す。
「俺、先に戻るから伊都も落ち着いたら戻れよ」
「うん」
伊都の返事を聞き、背を向けて教室を後にする。
俺の初恋、終わったな。
教室を出て少し歩いた時、目から温かいものが流れる。