だから、俺にしとけよ。
そう言って京ちゃんは明らかに告白であろう女の子の字の手紙を私に見せてくれる。
京ちゃんはあれから女遊びを止めたため、今では本気の告白が増えている。
「モテモテだね」
「本当に好きなやつには心変わりされたけど」
「うっ」
「冗談だって。
入谷は嫌いだけど」
「俺も京ちゃんは嫌いだな」
「その呼び方していいのは伊都だけだから」
「京ちゃんこわーい」
隣にいる志貴がふざけたように言うのを見て、京ちゃんが眉間に皺を寄せる。
「お前らもう行けよ。
じゃあな、伊都」
「うん、またね」
京ちゃんに手を振って別々の方へ歩き出す。