だから、俺にしとけよ。




志貴がビニール袋を持って、私の前にいる。


み、見られた……。



恥ずかしくなっている私を、突っ込むこともせず先に歩いて行く。



せ、せめて何か言ってよ!




何て思いながら、志貴を追いかけて外に出た。




「うわっ、本当に寒いね」


「はい、手」


手を差し出されて、重ねると指を絡めて握られる。

恋人つなぎってなんだからくすぐったい。



つないだ手を志貴のポケットの中に一緒に入れられる。



よ、余計恥ずかしい!




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