だから、俺にしとけよ。




薄暗い中、缶のココアが温もりだけを感じる。


そこから意識を変えれば、街頭の中志貴が私を見ているのが分かる。




「ありがとう。
ありがたくいただいときます」



息を吐けば白くなるくらい寒くなってきた今日この頃。


だけど、心と手は温かい。



すごくポカポカしている。




「どうぞ。
でも、その代わり……」



その続きは言わなかった。


そこで察してしまったんだ。

さっき私を置いて1人で買いに行った理由。




「しょうもない」


「うん」


「子供だね」


「うん」




< 323 / 370 >

この作品をシェア

pagetop