だから、俺にしとけよ。



私の言葉にただ頷くだけ。


もう!

何なの。




「ほんっとにしょうもない!」


「そうだね」


「……ちょっと屈んで」



街頭に照らされる中、志貴が少し屈んでくれたのが分かる。


目線が近くなり、ドキドキと心臓がうるさくなっていく。




私はココアをリュックの中に入れて、志貴の肩に手を置く。



そのまま顔を近づけて、自分の唇を志貴のに押し付ける。


初めて自分からキスをした。

触れるだけのキス。


ゆっくりと離れて目を開けると、志貴と目が合う。




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