だから、俺にしとけよ。
「あれ?照れてる?」
「……うるさい」
「私だって恥ずかしいのに……」
志貴が先に照れるから、私はもっと恥ずかしくなってくる。
両手で自分の頬を包み込む。
自分からなんてもうきっと2度とできない。
そう思っていると、志貴が私の顎を指で挟んで顔を上げさせられる。
「お礼はちゅーで」
「さっきしたじゃん」
「俺がするの。
伊都からのちゅーのお礼のちゅー」
ちゅーちゅー言ってネズミみたい。
なんて笑う暇もなく、再び唇が重なる。