だから、俺にしとけよ。
私は京ちゃんのただの幼なじみ。
他の女の子は京ちゃんの恋愛対象。
私は遊んですらもらえない幼なじみ。
他の女の子は1人の女の子として認識してもらえる。
涙が溢れて止まらない。
入谷くんの言葉に反応することすらできない。
涙を流す私の頬にちゅっとキスを落とし、涙をすくってくれる。
「幼なじみが困ってる時に現れるヒーローなら、俺は伊都ちゃんの気持ちを奪う怪盗になる」
「……意味わかんないっ」
「いいよ、それで。今から奪うから」
そう言うと入谷くんは私の唇に自分のを押し付けた。
抵抗しようと肩を押すけど、その手を掴まれる。
以前の軽いものではなく、長くて深くて意識が飛びそうになる。
それでも入谷くんは離してくれなくて、入谷くんで頭がいっぱいになってしまい、その時は京ちゃんのことを忘れられたんだ。