だから、俺にしとけよ。
*第2章*
クラスメイトの本気
「志貴ー!」
ドキッ。
入谷くんを呼ぶ声が聞こえると、思わず心が反応する。
集団合宿以来、入谷くんとまともに話していない。
正確に言えば、私が避けている。
入谷くんとまたキスをしてしまった。
そのあとは確か、離してくれた入谷くんが少し切なそうな表情で微笑み、私をお姫様抱っこで部屋まで運んでくれたんだ。
あんなキスは初めてで、お姫様抱っこをされたのも初めて。
京ちゃんにすらされたことなかった。
私はおかしかったんだと思う。
京ちゃんが好きすぎて、だけど気持ちを伝えることもできなくて。
だから入谷くんに甘えてしまったんだ。
私の気持ちを吐き出させてくれる入谷くんの存在が気持ちいいんだ。
でも、そんなのダメだ。
うん、絶対ダメ。