LOVE GAME


「彼方は頭良いから何も心配ないんだけど、真純はね…」

「おれより千尋のが心配でしょうよー。」

「千尋はちゃんとテスト受ければパスするからね。」







赤松千尋…未だお会いしていないが、彼の名前を聞くだけで私はビクビクする。

出来れば会いたくない、いや、絶対会わない、そう決めている。







「勉強してちゃんとテスト受けてるのにパス出来ない真純の方が問題。」

「あ゛?何だと彼方ぁ!」

「こら喧嘩しないの。」






前の時から思ってたけど、広田君と仲悪いのかな…と私はチラッと彼を見てみれば静かに勉強をしている。

マスク…邪魔じゃないのかな…。

だって下向いてたら視界に入るよね?

私がジーッと見てたのが気になったのか彼は顔はそのままで目だけをこちらに向け、何?、と言った。






「え、あー、いや?」

「どこか分からないの?」

「…そう。そうそう、この問題の解き方が分からなくて!」






貴方のマスクが気になって見てました、なんて言えない私は咄嗟に問題集の1つの問題を指差す。

その問題を覗き込んで見た彼は、直也、と私の隣の一条君を呼んだ。


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