LOVE GAME
包んだ手の指が私の頬を撫でる。
須藤君の瞳を見てみれば鋭い目が少し細められていて柔らかい。
私の大好きな優しい瞳。
あ、もしかしてこれが奏羅の言ってた愛おしそうな目…?
その瞳の先には私が居る、その瞳で私以外の人を見て欲しくない。
…いや、そうじゃなくて。
ちょっと待って、この状況どうしたらいいの…?
この至近距離で見つめ合って頬に手を添えられている…。
つ、つまり、そそそそういう事なのか⁉︎
まだ好きって言ってもらってないのにキスしちゃうの⁉︎
いやでもキスするって事は好きって事だよね…あれ、違う⁉︎
えーい、もう分かんない!どうにでもなれ!
「どうぞっ!」
「え?」
私はそう言ってギュッと目を瞑る。
ど、ドーンと来い!
そう思い目を瞑りながら待つがなかなか須藤君が動く気配は無い。
あれ…、どうしよう…もしかして、引かれた?
怖いが目を開けようと思った時、ふっと鼻で笑う音が聞こえてくる。
や、やっぱり引かれて…
「じゃぁ、遠慮なく」
そう言った後、私の左頬に添えてあった手に少し力が入るのが分かる。
そして私の顔に須藤君が近づいてくるのが分かる。
も、もう少し…!