たんぽぽ~愛するキミへ最後のメッセージ~

ひとりになってトイレの鏡を見ると

うちのほっぺは赤く腫れてた。

自分が、恐ろしい。

そう思いながら教室に戻ると

そうだよね。

皆ざわつく

うちの顔を見て。

先生なんて

「平木!!どこいっ…って…た」

なんて驚いてる。

「平木?!どうしたんだそのほっぺ」

なんて、先生に言われて

「ちょっとねぇー」って言い返す

うちはあいつらの事を言ったりしない

あいつらの為なんかじゃない

めんどくさいだけ。

ただそれだけ。


3人からは

「あーまたやられたーん?」

「いったそー」

「冷やしとけー!」

って何も聞いてこない。

3人はわかってるね。やっぱり

五時間が、終わり

まさかユウキに見つかるなんて。

このまま今日は会わないで

帰ろうとしてたのに。

「ゆーのー!」

って遠くから聞こえてくる

思わず返事をしてしまう。

「なにー!」

ってね。

そして、ほら言われる

「どうしたの!腫れてんじゃん!」

「ぶつけた〜あははー!」

ってうちは返す。

でも、ゆうきは黙ってない。

「嘘つくなよ。またあいつら?」

そう気づいちゃうの。

「ちがうってー!」

「ちがわねぇーだろ!」

って怒鳴られる。

ゆうきはこう見えて心配症。

優しいだけじゃない。

うちのために怒ってくれる。

でも、うちはあいつらの所に行かせない

「行かないで!!今は!!」

ってとめるんだ。

だって今行ったら多分

あの女はゆうきに告白するから。

そう思ったからとめたんだ。

「わかった。由乃がいいなら
これ以上は大きくしない。
でも、次やられたら
俺は行っていいだろ?」

そう、ユウキは優しく問いかけてくれる。

こういう所も好きだよって早く

伝えてあげれてたら良かったね。

ごめんね。
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