悪魔なCEOとワガママお嬢様



「タクシー?ふざけるのも大概にしろよ…お前の持ってる金はお前のもんじゃねぇだろ!今までやりたい放題やらせてもらったのに親の頼み事は気にいらないからって跳ねつけて…自分で稼いだ事も無いガキが親の上に胡座かいてんじゃねぇよ!」







今まで18年生きてきて 誰かに怒鳴られた事もなければお前とかガキなんて呼れた事もない…

どうして出会ったばかりの男にこんな事…
身体は震えるし、怒りと混乱で涙がとめど無く溢れた。

「……っ」

「めんどくせぇ…泣いた所で何も変わらねぇから それよりさっさと車に乗れ 」

掴んでた手を離すと男は振り返ること無く車に乗り込んだ。

(めんどくさいって何よ…普通、女の子が泣いたらハンカチの1つや2つ出すもんじゃないの?!)



あんな男とこれから生活するなんて考えたくもない…





…けど、言われっぱなしは性に合わない。





いつか…








いつかギャフンと言わせてやる。




そう心に誓いながら着物の袖で顔をゴシゴシ拭いた。
メイクも一緒に取れただろうけどそんなのどうだっていい。




男の乗り込んだ車を睨み付けながら私は1歩踏み出したー。




これが私と悪魔との出会いー



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