悪魔なCEOとワガママお嬢様
…と、思った瞬間には引っ張られる感覚と共にフワリといい匂いがした。




「ったく!危ねえだろ!ちゃんとしっかり持てよ」





そう言う声がやけに耳元近くで聞こえてくる。

不思議に思い、いつのまにか瞑ってしまっていた目を開けると………


「……っ?!」


私は片腕を引かれ男の胸に押し付けられるように立ってた…




「は…離してよ」



仕方ない状況とはいえ…顔が熱くなる。


「…助けてもらっといて随分な言い方だな 礼の1つくらい言えよ」


不機嫌な声にそう言われたけど…
顔なんて上げれそうにないもん…

きっと私の顔はリンゴみたいに真っ赤のはずだから…



(別にこんな悪魔な人にときめいた訳じゃないけど!!ただ突然の事で…驚いただけ…だもん)




私は俯いた顔を上げられないまま小さな声で"ありがとう"を言った。





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