悪魔なCEOとワガママお嬢様
部屋を飛び出したはいいけどー…
「もうっ!足いたい!!」
慣れない正座で痺れた足では部屋から遠く離れる事すら叶わず置いてあった草履を履いて庭に出るのが限界だった。
かろうじて座れそうな石を発見出来たのが唯一の救いだ。
6年振りに帰国した直後 両親に騙されてお見合いさせられるなんて…
「なんなのよ!もう!」
バシっ!
「っー!!!」
怒りの余り足の痺れの事も忘れ叩いてしまって後悔したが
時すでに遅し。
「大丈夫ですか?」
背後から急に声がして慌てて振り返るとさっきの男が立っていた。
(確か…東条 朔夜…さんだったっけ)
「見ての通りです…それよりいつからそこに?」
(気配なんてなかったのに…)
「マリアさんが よろよろしながら石に座った辺りからですよ」
(ほとんど最初からじゃない!!しかもいきなり名前で呼ぶなんて馴れ馴れしい人)
「余程正座がお辛かったのでしょうね…ああそうか 確かマリアさんはずっとロスで生活なさっていたから正座に慣れていないのも仕方ないですね」
(なんかこの人…顔は笑顔なのに発言がイヤミに聞こえる気がする…)
私が訝しげに観察していると男の携帯が鳴った。
「少し失礼……はい…これはこれは西園寺会長」
「?!」
西園寺会長と聞いた瞬間 私は男の手から携帯を奪い取っていた。
「ちょっとパパどういう事?!ママと2人で私を騙したのね?!こんな事誰も頼んでないわ!まさかこのお見合いの為に帰国しろって言ったんじゃないでしょうね…私はもう子供じゃないのよ?!結婚相手くらい自分で見つけられるわ!!」
そこまで言った所で隣で黙って聞いていた男に電話を奪い返された。
「ちょっと!!私まだ言いたいことが!!」
「西園寺会長も大変ですね…心中お察しいたします」
はぁ?!
何この人!まるで私が悪いみたいじゃない!
怒りでわなわなと震える私を見たまま男は話を続ける。
「どうやらお嬢様は色々と学ばなければならない事が多そうですね こうして出会えたのも何かの縁…私で良ければお力になりますよ」
(どうして今日初めて会った奴にここまで言われないといけない訳?!)
しばらく話した後 電話を切った男の顔は相変わらずの笑顔だが目が笑っていない。
「さて…お嬢さん、貴女の事は西園寺会長より全権を委託されました 今日からは私の屋敷に住んでいただきます それから屋敷に居ても出来る事もないでしょうから我社で社会勉強でもしてもらいましょうか…」
「ちょっと待ちなさいよ!さっきから黙って聞いてたら あなた一体何様なの?!勝手に決めないで!」
男を睨み付けながら叫ぶと男の顔からすぅーっと笑みが消えた。
「だったら言わせてもらうが…お前のワガママで6年も海外留学できていたのは誰のお蔭だ?生きていくのに必要な金は誰が稼いだと思ってる?」
「っ!」
「黙るって事は救いようの無い馬鹿ではない様だな しかし俺はお前みたいに周りに感謝もせずに1人で生きてきたと勘違いしてる奴は大嫌いでね 文句を言う前に少しは親の役に立ったらどうだ?」
怒りで込み上げてきた涙を必死で零さないように耐えている私を見ながら男が鼻で笑った。
「お嬢さんには今の日本語は難しすぎたかな?」
こいつー…どこまで人を馬鹿にすれば?!
『俺はお前の様なワガママな勘違い女は大っ嫌いだ』
素晴らしく流暢な英語を話した男の笑顔は まさしく悪魔そのモノだったー……
「もうっ!足いたい!!」
慣れない正座で痺れた足では部屋から遠く離れる事すら叶わず置いてあった草履を履いて庭に出るのが限界だった。
かろうじて座れそうな石を発見出来たのが唯一の救いだ。
6年振りに帰国した直後 両親に騙されてお見合いさせられるなんて…
「なんなのよ!もう!」
バシっ!
「っー!!!」
怒りの余り足の痺れの事も忘れ叩いてしまって後悔したが
時すでに遅し。
「大丈夫ですか?」
背後から急に声がして慌てて振り返るとさっきの男が立っていた。
(確か…東条 朔夜…さんだったっけ)
「見ての通りです…それよりいつからそこに?」
(気配なんてなかったのに…)
「マリアさんが よろよろしながら石に座った辺りからですよ」
(ほとんど最初からじゃない!!しかもいきなり名前で呼ぶなんて馴れ馴れしい人)
「余程正座がお辛かったのでしょうね…ああそうか 確かマリアさんはずっとロスで生活なさっていたから正座に慣れていないのも仕方ないですね」
(なんかこの人…顔は笑顔なのに発言がイヤミに聞こえる気がする…)
私が訝しげに観察していると男の携帯が鳴った。
「少し失礼……はい…これはこれは西園寺会長」
「?!」
西園寺会長と聞いた瞬間 私は男の手から携帯を奪い取っていた。
「ちょっとパパどういう事?!ママと2人で私を騙したのね?!こんな事誰も頼んでないわ!まさかこのお見合いの為に帰国しろって言ったんじゃないでしょうね…私はもう子供じゃないのよ?!結婚相手くらい自分で見つけられるわ!!」
そこまで言った所で隣で黙って聞いていた男に電話を奪い返された。
「ちょっと!!私まだ言いたいことが!!」
「西園寺会長も大変ですね…心中お察しいたします」
はぁ?!
何この人!まるで私が悪いみたいじゃない!
怒りでわなわなと震える私を見たまま男は話を続ける。
「どうやらお嬢様は色々と学ばなければならない事が多そうですね こうして出会えたのも何かの縁…私で良ければお力になりますよ」
(どうして今日初めて会った奴にここまで言われないといけない訳?!)
しばらく話した後 電話を切った男の顔は相変わらずの笑顔だが目が笑っていない。
「さて…お嬢さん、貴女の事は西園寺会長より全権を委託されました 今日からは私の屋敷に住んでいただきます それから屋敷に居ても出来る事もないでしょうから我社で社会勉強でもしてもらいましょうか…」
「ちょっと待ちなさいよ!さっきから黙って聞いてたら あなた一体何様なの?!勝手に決めないで!」
男を睨み付けながら叫ぶと男の顔からすぅーっと笑みが消えた。
「だったら言わせてもらうが…お前のワガママで6年も海外留学できていたのは誰のお蔭だ?生きていくのに必要な金は誰が稼いだと思ってる?」
「っ!」
「黙るって事は救いようの無い馬鹿ではない様だな しかし俺はお前みたいに周りに感謝もせずに1人で生きてきたと勘違いしてる奴は大嫌いでね 文句を言う前に少しは親の役に立ったらどうだ?」
怒りで込み上げてきた涙を必死で零さないように耐えている私を見ながら男が鼻で笑った。
「お嬢さんには今の日本語は難しすぎたかな?」
こいつー…どこまで人を馬鹿にすれば?!
『俺はお前の様なワガママな勘違い女は大っ嫌いだ』
素晴らしく流暢な英語を話した男の笑顔は まさしく悪魔そのモノだったー……