それでも僕は君といたい。
時は止まることなく朝を迎え
普段通りに身支度をし、
僕は少し緊張した面持ちで家を出た。
彼女に会ったら、
最初におはようと言うべきか。
いや、いきなり挨拶なんかしてきて
変に思われるのは逆効果かな・・・。
そんなことをあれやこれや考える内に
あっという間に目的地へと着いてしまった。
教室の扉を開けると、
早速クラスの賑わった雰囲気が広がっていた。
僕の席は廊下側から2番目
後ろから3番目のところにある。
案外この席は気に入っていた。
「あ、おはよ!古谷くん!」
僕の姿に気が付き、朝から明るい声で
呼びかけてくれる彼女を見て
自然と笑みが零れた。
「おはよう」
意外にも緊張せずに返事ができたことに
少し驚きながら、僕は肩に背負っていた鞄を
机の脇に掛けた。
「あはは!乃李ちゃんて面白いね~」
僕の後ろの席では、既に数人のクラスメートである女子が
彼女の周りを囲んでいた。
楽しそうに彼女と話す声が聞こえてきて、
僕は不覚にも反応してしまう。