それでも僕は君といたい。
「おはよう!また同じ学校だね!」
校門付近で楽しそうに、はしゃぎ合う数人の女子生徒。
また、同じ・・・かぁ。
僕が知る限り同じ中学出身の子はいない。
去年父さんの転勤先が決まりこの町に引っ越してきた僕は、
地元の友人と同じ高校に進むことはできなくなった。
それでも僕は嫌々この高校を受験した訳じゃなく、
周りの評判も良いし、何より進学校なのが両親や僕自身にも好印象だった。
だけどやっぱり友達との距離が遠いのは
寂しいし、まだこの町に慣れない僕はこれから上手くやっていけるか不安だった。
周りから目立つことを避け、
何をしてもそこそこ平凡で生きてきた僕にとって
友達作りという課題はどうも苦手だ。
ちょっとは気軽に話せる友達が出来たらいいんだけどな・・・
そんなことを思いながら
僕は校門をくぐった。