それでも僕は君といたい。




ようやく教室に辿り着き、
出席番号順に並べられた机を見渡し、


自分の出席番号が貼られた机を見つけて席に着こうとした時ー

後ろから背中をつつかれ、
振り向いた先には、

見覚えのある子がにこりとこちらに微笑みかけてきた。

さっきの下駄箱で会った彼女は
僕の真後ろの席だった。


「・・・・・!」


ドキっと心臓が波打つ。


「前の席なんだね!びっくりしちゃった」



こういう場合はなんて応えてあげるのが正解なんだろう。
こんな時に限って自分の口下手さを惜しむ。


「あぁ、うんそうだね」


あー・・・なんて愛想のない返事だ。
きっと彼女、僕に幻滅したかもしれない。


いや待て、何で僕この子の事こんなに気にしてるんだ?
可笑しいだろ。同性ならまだしも異性をこんなに気に掛けるなんて。

今までの僕だったら絶対にありえない。

「うん!よろしく」


もう何度目の笑顔だろう。
これほど弾けた笑顔を見せる人を見ていなかったせいか、
彼女の笑顔が眩しく感じる。



ー顔が熱い。



心臓は再び騒がしくなっていく。








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